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Jee先生のバレエ留学体験記1(ワガノワバレエアカデミー)

バレエを学ぶ皆さんの中には、バレエ留学に興味のある方もいらっしゃるかたも多いと思いますが、実際留学、海外での生活ってどんなものだろう?
といった感じだと思いますので、今回ジー先生にお願いして留学体験記を書いていただきました。
バレエ留学への経緯、実際の生活、学校のこと、試験などについて数回に分けてご紹介していけたらと思います。

まず初めにジー先生が学んだワガノワバレエアカデミーについてご紹介したいと思います。
世界のバレエ学校には様々なバレエのメソッドがあります。
その中でワガノワメソッドは厳格で上半身の優雅さ、強いテクニックを作り上げるメソッドで現在も多くのスクールで取り入れられています。
ロシアで最高峰であるワガノワバレエアカデミーは1738年5月4日に創立されました。(もうすぐは創立記念日ですね!)
長い282年の歴史の中で、 パブロワ、ニジンスキー、バリシニコフ、ヌレエフ、など世界的に有名なダンサーを沢山輩出しています。

それでは前置きはこれくらいにして体験記に行きましょう。

ワガノワバレエアカデミー留学体験談

朴 智善

これからバレエ留学などを志す生徒さんのお役に立てればと思い、私が17歳から19歳までの2年間ロシアのサンクトペテルブルグにあるワガノワバレエアカデミーへ留学した時のことを少しずつ体験談としてお話したいと思います。

1、ワガノワ留学が決まった経緯

私はとにかくバレエが大好きで、中学生の頃から、留学したい気持ちが強くなりました。
バレエ留学でのバレエ漬けの毎日に憧れていたのです。

しかし、当時の私はコンクールにも出たことがなく(時代的なこともあります)、スカラシップなどもらった経験もなく、そんな実力があったか定かではありません。(苦笑)
それでも留学したい!という強い気持ちはぶれず、留学の本やバレエ雑誌を毎月片端から見て情報を集めていました。

高校生のうちに留学に行くと強く心に決めた高校1年生の冬、バレエ雑誌に日露バレエ協会(現在は名前が変わっています)の『ワガノワバレエアカデミーとボリショイバレエアカデミー2週間短期留学(長期留学オーディションあり)』と書かれた広告を見つけました。

学校の様子が見られるし、長期留学行けるチャンスかもしれない!と思い、両親にお願いして高校2年生になる前の春休みにワガノワバレエアカデミーへ短期留学をしました。
そこでは、クラシックバレエやキャラクターダンス、演技などの授業を体験することができました。
学校内を見学したり、他のクラスを見学したりして、バレエ雑誌やDVDで見ていた世界をじかに体験することができ、ますます留学への思いを強く感じるようになりました。

長期留学のオーディションは、短期留学中のレッスンの過程で審査されました。
最終日に学校内の劇場で踊り、その後10人中3人の合格が発表され、幸いなことにそこに私の名前もありました。
短期留学前に長期留学希望を主催者に申し出たときには『あなたには長期留学は無理よ』と言われていたのに!!
チャンスというのはどのように転がってくるかわからないものですね(笑)

ただ、憧れの長期留学が決まったものの、心配な事がひとつありました。
それは『ワガノワバレエアカデミーでは留学生は先生から見てもらえない』という噂を聞いていたことです。短期留学中、希望者はペルミバレエアカデミーへも行きオーディションを受けていました。
両方とも合格した友人は、ワガノワでは先生に見てもらえないそうだから、ペルミに行くと決めていました
でも私はワガノワに行く意思がすでに固まっていたため、見られなくても自分が頑張ればいいし、ワガノワへの切符を手に入れたのだから絶対に行く!!
と、ちょっぴり不安を抱えながら長期留学に行くことが決まりました。

2、ワガノワバレエアカデミー寮での生活
ワガノワにいる間は、学校とつながっている寮で生活をしました。
寮には私たち留学生の他にも地方からきているロシア人もたくさんいました。
留学生は日本人の他に、韓国、アメリカ、イタリア、ポーランド、ブルガリア、スペインなどの他国からや、ローザンヌ国際バレエコンクールでスカラシップをもらって来ている外国人もいました。

食事は朝昼夕と三食食事が出たのでとても助かりました。
主食はソバの実やじゃがいも、黒いパン(ライムギパン)など日本にはなじみがないもの
ばかりでみんな食事に苦労している中、私に関しては全く問題ありませんでした(笑)
寮にはキッチンもあり、自炊をする人もいました。

当時はスマホなどは無く、毎朝1通ずつ父とガラケーでメールのやり取りをし、週末にはパソコンでテレビ電話をするのですが、ネット状況が悪くできない日もありました。
ロシアの冬は日が出ている時間が短く、朝9時に日が昇り、夕方4時には日が暮れます。反対に夏は、白夜と言って夜中の12時まで明るい時期があります。
この時期は白夜祭といって夜中まで祭りがあったり、夜10時からバレエの公演があったりもしましたが、私は食事よりもこの白夜がつらかったです(笑)

 

 

次回はバレエ学校のレッスンへと続きます。

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