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4.12020
アメリカのバレエ、バランシンスタイル♪
せっかくのお休みなので、世界のバレエについて少しずつ紹介していきたいと思います。
今日はアメリカのバレエ、バランシンスタイルについて紹介します。
バランシン、とは、ジョージ・バランシン、ロシア出身のダンサー、振付家のことです。
彼はアメリカにバレエを広めるために招かれ、アメリカ人の気質合ったバレエ、例えばニューヨークの若者、カップルたちが、ミュージカル映画を観に行くと同様に、バレエも観に行ける、そんなバレエ作品作りを目指しました。
そしてニューヨークシティバレエで数々の作品を発表していきます。
まずは「Who cares?」 という作品を見てみましょう。
いかがですか?楽しく明るい気分になってきますね♪
彼の作品はプティパの築いたクラシックバレエような様式美や物語性のない、ただ音楽とダンスだけで楽しめる作品を数多くつくりました。
またバランシンは音楽、スピード感、軽快さに加え女性をいかに女性らしく見せることができるか、といったものを追求していきます。
次にバランシンがグラン・パ・ドゥ・ドゥ作りにチャレンジした、「チャイコフスキー パ ドゥ ドゥ」を見てみましょう。
スピード、ダイナミックさに加え、より自由な表現が見えますね。まさにニューヨークの若者のようです。
アロンジェを使った動きも多く、より長く身体を引き伸ばすように踊ります。
最後に「シンフォニー イン C」という作品を紹介します。
彼の作り上げるコール・ド(群舞)はダンサーはとにかくずっと踊り続けて、かつ難しいステップを沢山盛り込んでいるため、とてもチャレンジングです。
またバランシンはコールドバレエに同じ形、同じポーズといったものはあまり求めず、同じタイミングの中にほとばしるようなエネルギーを求めました。
なのでどのダンサーも生き生きと自分の最大限を発揮することができます。脚の高さもジャンプの高さもとにかく最大限なので誰かに合わせて制御することがあまりありません。
でも音楽にはきっちりと合わせるので、観ていて爽快さがあります。
この思考は後にコンテンポラリーダンス、ネオクラシカルバレエの基礎のようなものになっていきます。
ジョージ バランシンは、亡くなる前にバランシン トラストという団体を作り、彼と共に家族のように一緒に作品を作り上げてきたダンサーたちのみがバランシンのバレエを教え上演することができるような著作権の団体を作りました。そのため一般の生徒さんたちはなかなか踊ることができませんし、日本ではなかなか観ることができません。
バランシンスタイルのクラスはすべての動きが早く軽快でフィジカルなので、そのためのバレエクラスが必要になってきます。
現在は世界中のバレエ団でバランシンの作品を踊レう入るとバランシンの作品を踊る際は、バランシンのもとで踊られていたダンサーが派遣され、彼のエッセンスを教えてくれます。
そうやって彼のバレエは受け継がれています。
いまニューヨークも大変な状況にありますが一日も早く収束することを願っています。