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2020年 謹賀新年♡

新春のお喜びを申し上げます。

年が明けるというのは本当に不思議なもので、魂が洗われたような気分になり、心身共に新たなスタートを切れるような気がします。
場の空気というのもきれいに一新されて、本当に除夜の鐘は108の煩悩を祓ってくれるのかな?なんて感じてしまいます。

そして特に日本のお正月はそのような感覚にさせてくれます。

ひさ~しぶりのブログになってしまいましたが、2020年の抱負を兼ねてちょっと真面目なお話をしたいと思います。

先日コンクールの審査員をさせていただき6歳から300名以上の生徒さんの採点をさせていただきました。

その中でいろいろと思うことがあり、今回は心の持ち方(かなり真面目な話になってしまいますが…)についてともに考えてほしいなと思います。

 

日本の精神に「清い」というものがありますが、この世俗において清い心を保ち続けるのは、至難の業ですね。

心にわだかまりがなく、まっさらに晴れた青空のように清い状態の時、日々丁寧にレッスンと向き合っている時は、今という瞬間瞬間を感じ、何かに導かれるようにするするとうまく踊れるような気がしますが、生活のペースが乱れたりちょっとした雑念や悩みを悶々と抱えていると、集中力が途切れ途切れになりやはりその空気感が踊りに出てきてしまいます。

何事においても高い集中力に中でこの心と身体のバランスがうまくいっているときに最高のパフォーマンスができるので、超一流と言われるアスリートやダンサーは日々の気持ちの持って行き方、どんな言葉を発するかにとても気を配っていると思います。

バレエは現実世界と精神世界の間に心身を置き、客観的に自分を見つめながらも、自分の心と身体と向き合っていく作業です。

頭から指先、爪の先まで神経を張り巡らせ、自分に集中し入っていけばいくほど、広く観客の皆さんに還元できていくという不思議なサイクルを持っています。

ところが人間は人と比べる生き物であり、ライバルが外にいると思い、周りと比べてばかりいると、踊りは空回りし、自滅してしまいます。

これでは豊かな人生とは言えませんし、自分と向き合うどころか集中力も欠け、最高のパフォーマンスにはなりません。

そしてそもそも競争は最後は全員が負ける仕組みになっています。

残念ながら現代の資本主義社会にいきている限り、いくら子供のころに順位のつかないかけっこをやらせようとも、社会人になれば否応なくこの競争社会の渦に巻きこまれてしまうでしょう。

バレエもそのような観点から見ると、生徒のころはバレエコンクールから始まり、バレエ留学、バレエ団とオーディションで振るいに掛けられ、バレエ団に就職した後にはコール・ド(群舞)からプリンシパル(主役)までの完全なる階級制、舞台があるごとにオーディション、もしくは階級制で配役がなされこのダンサー同士の競争は引退するまで永遠に続きます。(かなり極端な悲観的な見方ですが)

この競争を楽しめる人は良いですが、あまりにも真っ向から向き合っていると人生はつらく苦しいものになるでしょう。

 

対して違う面からこの世界を見ると、バレエが大好きでレッスンに没頭して、こんなダンサーになりたい!こんな役をやってみたい!という情熱をもって自分とコツコツと向き合いながら経験を積んでいたらいつの間にかその道を極め、高みに上っていた。
そしてその間楽しかった!といえる人生は、その競争に勝ったとしても、そうでなくても、豊かで幸せな人生だと思いますし、その学びの過程が楽しかった人こそが真の人生の勝者ともいえるでしょう。そこに自分の成長を共に喜んでくれる仲間がいて、友達の成長を応援できることができればさらにずっと楽しい世界になりますね。

人と比べる、というのは今の自分の立ち位置を知る物差しとして、モチベーションとして、また本物を知る、見る目を養うという意味でとても有効な練習方法ではありますが、嫉妬心を持ったり、まわりを意識しすぎると、いつかは挫折します。果たして自分の立ち位置、自分がどんなダンサーになりたいのか、なぜ踊っているのかさえも分からなくなってきて、踊りがブレブレになってくるものです。

子供達はもともと競争が大好きなのですが、競争を楽しみながらも流されず、清い心、素直な心で学び続け、芯をもって自分を高めていくこと、そして自分の好きなことであればあきらめずに何度も困難に立ち向かう強さを日々のレッスンの中で学んでもらえたらと思っています。

そのようなメンタルは一朝一夕にしてできるものではなく筋肉と同じよう日々のレッスンで自分の中の最高を出そうとすることで強くなっていきます。

そしてそのあきらめない心の強さは社会に出たときにたくましく生きていく、より楽に生きていく糧になります。

レッスン中は時間との闘いなので、普段はメンタルについてあまり深く話すことはないのですが、少しずつ子供たちが大きくなり、コンクールに出場したり、周りと比べるということがわかる年齢になってくると子供たちは人知れずこのような悩みを抱え始めると思います。

競争する、比べる、というのは諸刃の剣のようなもので、上手に活用していくこと、理解を深めていくことが大切だと思います。

そして失敗を恐れず、それをよき経験、学びの過程として、果敢にチャレンジしてほしいと願っています。

人と比べるな!といっても社会がそういう仕組みになっている限り、比べてしまうものですし、華やかな世界ほど光と影の部分があり、どう向き合っていくか、どのような見方で物事を考えるかで人生は喜劇にも悲劇にもなります。

夢や目標に向かって、素直な気持ちで真摯に向き合いながらも、のびのびとすきなことを楽しめる心の持ち方ができるよう、少しづつサポートできればと思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

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