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Jee先生のバレエ留学体験記2(ワガノワバレエアカデミー)

3、ワガノワバレエアカデミーでの日々

9月から新学期が始まり、私は7年生のクラスに入ることになりました。

当時は7人のロシア人と韓国人1人、アメリカ人1人、日本人1人がいました。

しかしなぜか初日から全く歓迎されなかったのを覚えています(苦笑)

ロシア語はあまり理解できませんでしたが『えー、また留学生入ってくるのー』とロシア人たちが言っている感じはすぐにわかりました。

同級生の中には優しいロシア人もいましたが、外国からの生徒を嫌うロシア人もいました。

その理由は学年末の試験で知ることになりますが・・・

学校の授業は月曜日から土曜日までありました。

留学生は一般科目の授業はありませんが、ロシア人は一般科目の授業を受けつつバレエのクラスも受けていました。

クラスによって時間割は変わりますが、私のクラスは

9時から10時までロシア語の授業、

12時半から1時間45分クラシック、

その後ポワントクラスやVa.等の練習。

お昼を食べて

15時半から17時まで2つ目の授業。

(ここでは1週間のうちに、キャラクター、デュエット(パドドゥ)、演技の授業が2日ずつ入ります。)

夕食を食べて18時からリハーサルでした。

ロシア語のクラスはロシア語のみで行われました。

留学前にロシア語学校に週1回通いましたが、それでもとても難しくなかなかしゃべることができませんでした。
でも、体の部位など、バレエのレッスンで出てくる言葉は留学に行く前に覚えていたので、レッスンは理解することができました。
留学2年目には1年目の生徒さん達に通訳をしてあげられるくらい上達しましたが、今はもうすっかり忘れてしまいました(笑)

私の担任の先生、ウダレンコワ先生はマリンスキー劇場(この劇場の付属がワガノワバレエアカデミーです)で踊られた後、ワガノワバレエアカデミーの教師になり、多くの素晴らしいダンサーを育て上げられた先生でした。

ピアニストと先生が入室してきたら、皆立ち上がりレベランスから始まります。

クラスにもよりますが、私のクラスは毎日アンシェヌマンが変わりました。

スタジオは慣れない斜めの床で、突然7年生のクラスに入った私には大変なことばかりでした。

すでにワガノワメソッドの基礎が叩き込まれているロシア人の生徒たちは、細かい体の使い方の説明はほとんどありません。

ただ先生は遠くから『かかと前!おなか!もっと早く』など叫ぶだけです。

できなくてもただ見て見ぬふりをされるため、とにかくついていくのに必死でした。

ターンアウトが苦手だった私は毎日毎日『かかと前!かかと前!』と叫ばれる日々・・・

とてもつらかったですが、外国人は見てもらえないと聞いていたので、注意をいただけることがとてもうれしかったです(笑)

ワガノワに入学する前の0年生(7~9歳、週3回)のクラスをたまに覗くことがありましたが、この時期はほとんど床でストレッチや体操のようなトレーニングばかりです。

入学したての1年生(9~11歳、週5回)のクラスの子たちはすでに姿勢がきれいに整っていますが、それでもなおゆっくりで基礎的なバーレッスンをしていました。

これを小さい時期から日々やっている人達なので、寝ていてもターンアウトができるし、膝つま先がしっかり伸びるのだなぁと感じました(笑)

そんな厳しい基礎レッスンを長年みっちりと積んできたロシア人たちと共にレッスンをしていると、自分の未熟さを痛感し、少しでも追いつきたい思いで必死でした。

レッスンの1時間前にはスタジオに行きストレッチや筋トレをし、レッスンが終わったら空いているスタジオを探し、こっそり入ってもう一度一人でフルレッスン、復習をしましたが、それでもなかなか追いつけない自分に悔しい思いを募らせる日々を過ごしました。

2つ目のクラスはキャラクター、デュエット、演技、モダンダンスなどがありました。

キャラクターダンスの授業はとにかく新鮮!ヒールのついたキャラクターシューズを履いてバーレッスンのプリエからグランバットマンまで様々な国の踊りを行います。

センターではバレエの作品に出てくる踊りをみんなで練習。

いろんな作品に触れることができとても勉強になりました。

キャラクターの先生はマリンスキーでまだ現役で踊られていた若くてきれいな先生で、私たち留学生も平等に見てくれる優しい先生でした。

ある日、生徒たちに渇を入れるため、あのマリンスキーのプリンシパル、ウリヤーナロパートキナさんを突然連れてきました。

私はロパートキナさんの白鳥が大好きで、何度も劇場に足を運んでいたので(ちなみに留学中はマリンスキーの公演を無料で見ることがでたのでよく観に行きました!)、そんな憧れの人が私服で私たちの目の前に座ってお説教をしているのを見て、開いた口がふさがりませんでした。

デュエット(パ・ド・ドゥ)は、その学年のカリキュラムに沿って一つ一つパートナリングの技を学び、試験に向けて踊りのようにしていきます。

まるでセンターレッスンのようなアンシェヌマンです!

なにせ男女ともにパドドゥの初心者なので、大変でした。

演技の授業では、ジゼルの出会いの場、狂乱のシーンや、眠れる森の美女に登場するカラボス、猫、赤ずきん、そして瀕死の白鳥、ラ・バヤデールの喧嘩のシーンなど、バレエ作品から演技を学びました。

皆で悪のカラボスになったり、ニキヤとガムザッティになって喧嘩をしたり、日本ではなかなかできない授業ですね!

ただ試験が近づくにつれて、このクラスは『留学生は見てもらえない』状態になってきました。

卒業試験でロシア人は一人ずつ披露し、留学生は全く見ていただけなかったという悲しい思い出もあります。

でも、見ているだけの間でも精一杯学べることを吸収しようと思い、常に自分もやっているイメージで練習を行いました。

そしてどんな状況でも学ぶことは沢山ありました。

キャラクターダンスのクラス ジー先生わかりますか?!

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